熊野神社稲荷社

(くまのじんじゃいなりしゃ/東京都大田区仲六郷二丁目)

取材日:2007年2月24日
奉納日:2007年2月25日

京浜急行雑色(ぞうしき)駅から徒歩3分。第一京浜(国道15号 線)から細い路地に入った奥にある熊野神社の中に、境内社として 祀られていたお稲荷さんです。鉄道と国道に挟まれた場所ですが、 雰囲気だけは、しんとしています。やはり「神社パワー」でしょうか。


国道から細くて狭い路地の奥に入って行くと、神社らしい光景が目に入ってきます。正 面のお社に向かって参道が続いています。
参道を進んでいくと、正面の社の左側に赤い鳥居があります。「稲荷」の臭いがしますね。
この赤い鳥居は紛れも無く稲荷社のもの。スチール製で比較的最近のもののようです。
これが赤鳥居に掛けられた神額です。形もシンプルで地味ですが、書かれている文字も 単に「稲荷神社」とそっけないものです。例えば書体だけでも、もう少し情緒が欲しいところですね。
何はともあれ、一応稲荷であることがはっきりしたので、奥に進んでみます。鳥居の先にはお稲荷さんに続く参道が伸びています。
そしてこのかわいいお社にたどりつきます。粋な灯明と1対の眷属を従えて、お稲荷さんのお社があります。
小ぶりなお社ですが、造りは本格的で風格も十分です。榊も生き生きしています。
さて、ここの石狐は最近のものに多いタイプです。白っぽい花崗岩を削った身体は筋肉 質で、顔も厳つく、大きめの耳がぴんと立っています。
口には珠が咥えられています。眉間に皺を寄せ、近寄る者を威嚇しているようです。
これは左手の狐。ここまで筋肉が強調されていると、どうも狐には見えにくくて、自分 の趣味としてはあまり好きなタイプではないんですよね。
こちらの狐の口には巻物が咥えられています。
こうして見ると、この造形はかなりラインが単純化されているのがわかります。もしかすると機械加工?なのかもしれません。
これはお社の手前に掛けられていた銘板です。ここに「熊野神社稲荷社」とあったのでこれを名称として表記しています。
境内社の場合、多くは稲荷に特定の名称がないのでこのような表現になります。
これはよく神社境内に見られるもののひとつで「力石」です。昔、住民の若者たちがこれを持ち上げて力較べをしたもののようです。

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