羽田神社

(はねだじんじゃ/東京都大田区本羽田)

取材日:2004年2月7日

この神社自体の由緒は不明です。本体は日枝神社系統と思われます。
羽田七稲荷を巡っている途中で巡り会った神社で、その中には三つの
稲荷神社が祀られていました。そして、境内にはもうひとつ「おもし
ろいもの」がありました。それは、最後にどうぞ。


羽田神社の入り口です。石碑には「邨社(とんしゃ)」とあるので、おそらくこの地区の鎮守神なのでしょう。
とても立派な羽田神社の本殿です。この本殿に向かって右手奥に、赤い鳥居が見えてい ます。まさに「稲荷」の風情がムンムンです。
そこには三つの稲荷が並んでいました。手前から「鈴納稲荷」「増田稲荷」そして「羽田稲荷」と並んでいます。
まず、はじめにあるのがこの鈴納(すずのう?)稲荷神社です。そっけないお社で、あまり有り難みを感じません。
「すずのう」と読むのでしょうか?
ここの狛狐もこの地域の例に漏れず、金網の中に入っていました。
赤い前掛けが、なんと金網に結わえ付けられていました。滑稽というか、憐れというかこれも人間の悪さのせいですね。
>そのお隣は増田稲荷神社です。鈴納稲荷のものよりは、少しは神社らしいお社です。
立派に彫られた額です。
増田稲荷の狛狐もやはり金網に入っており、その金網に赤い前掛けが結わえつけられていました。
この狛狐はコンクリート製らしく、このように口元にひびが入っています。
そして一番奥にあるのがこの
羽田稲荷神社です。実は手前にある赤い鳥居と狛犬は日枝神社のもの。左奥にちらりと見えるのが羽田稲荷神社です
これが羽田稲荷の祠です。さすがに年季が入っています。やはり稲荷の祠は、このような木製に限りますね。瀬戸物狐もいっぱいです。
ここの狛狐はプロポーションが不思議です。なんとなく横に長いのです。
このように横長のものはあまり見たことがありません。何か特別な意味があるのでしょうか?
こちらは反対側の狛狐。やっぱり、前足が短くて背が低いのがよくわかります。
尻尾も全体が太いのではなく先だけがネギボウズのようにふくれています。
同じ境内に奇妙なものを見つけました。説明には「富士塚」とあります。
お年寄りや病人など実際に霊山富士に登れない人々のために富士山を模して造られた人造の小山、なんだそうです。
鳥居をくぐって先に進むと、なるほどそこには溶岩を積み上げたような小山がありました。
中は階段でなんとか登れるようになっており、途中にはこのように「四合目」とか「五合目」とかの碑が建っていま す。謂わば富士登山のバーチャル体験場というところです
そして頂上には小さな鳥居があります。あれがきっと山頂なのでしょう。
横浜の野毛山にある「成田山別院」も、これによく似た様相になっています。昔は交通機関も発達していないので、なか なか実際の霊山に登ることが難しかったからこうしたものができたのでしょう。
今で言えば「テーマパーク」のようなものですね。

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