重幸稲荷神社

(じゅうこういなりじんじゃ/東京都大田区本羽田)

取材日:2004年2月7日

昔、この辺り一帯は大野上田と呼ばれていた。度々の洪水に悩まされた 村人達は、多摩川のほとり旧六郷土堤の際に、田畑の守護と五穀豊饒を 祈って社を建立した。社前の道路は旧六郷土堤であり、現在の社の高さ が旧堤防の高さであった。境内には樹齢400年、幹まわり3.5メー トルの楠の大木があったが、昭和20年4月の大空襲で焼失してしまっ た。社前の道路が一部膨らんでいる事が、大木のあったことと歴史の古 さを物語っている。
(以上「穴守稲荷神社」ホームページ記述より転載)




重幸稲荷は、住宅地の中に突然姿を現します。穴守稲荷巡りのひとつなので、もう少し 大きな神社を予想していたのですが、意外に小規模です。
それでもこの石の鳥居は、なかなか立派なものです。そしてちゃんと石畳の参道と、そ の両側には狛狐の姿も見えます。
境内の奥にある祠です。小さいですが、やたら派手に塗ってあり「稲荷」を主張しています
周囲に雑然と置かれた冷蔵庫やポリバケツ等が、なんとも生活感を感じさせ、いかにも
庶民信仰の稲荷らしい感じがします。
よく見るとこの祠、小さいながらもきちんと造ってあることがわかります。
欄間に施された彫刻にも丁寧に着色してあります。横浜の「福本稲荷」にあったものに よく似ています。彫刻には二匹の動物がいます。これは普通に考えれば狐なのかもしれ ませんが、どうにもこれはイタチにしか見えません。
正面の扉に彫られた宝珠と炎なのですが、これは実にアバウトな彩色ですね。味がある ともいえるでしょうか?
重幸稲荷の狛狐です。このあたりの稲荷には珍しく、金網で囲まれていません。比較的新しいものなのでしょうか?
鰓が張って筋肉質なデザインのものです。脚の指には狼爪があります。口にはそれぞれ巻物と玉を咥えています。

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