亀住稲荷(仮称)

(かめずみいなり/横浜市神奈川区亀住町)

取材日:2008年1月30日
奉納日:2008年1月30日

亀住町というのは、JRと京浜急行線の線路に挟まれた三角地帯のような地域で、どこに行くにしても踏み切りを渡らなければならず、住民でないとなかなか足を踏み入れない地域です。そこの地区公民館の敷地にあるのが、この稲荷です。特に名前は書いてなかったので、仮に亀住稲荷と呼んでみました。


公民館の敷地、駐車スペースの端っこに赤い屋根の祠を見つけました。たぶん、この敷地に昔からあったもので、そのまま移動せずに置いてあるのでしょう。
これが公民館の看板。なかなか立派な建物です。地域の集会や祭事などに使われるのでしょう。そういえば、田舎では、お稲荷さんの社が地域の集会場になっていることも多いのですが、それに似ています。
お稲荷さんの全景です。赤い屋根の小さな祠の前に、一対の石の狐がいます。この規模の祠にしては、一人前のサイズの狐ですね。この稲荷が地域住民にとって、重要な意味をもっている証拠まもしれません。
これがこの稲荷の石狐です。とても特徴的な顔をしていますね。目は正面を向いて、かなり接近してついているのでちょっとひょうきんな表情にも見えます。
尻尾は台座に巻きついているように作られています。珍しいタイプです。
頭部を横から見ると、狐というより河童みたいですね。石の状態から、年代はかなり古いもののようです。台座にも奉納の年号などは書いてありませんでしたが。
全身を横から見ると、身体も扁平な感じです。この幅の石を彫ったのがよくわかります。そのせいで、尻尾がぺったんこになっています。
こちらは反対側の狐です。特に形態や表情に違いはありません。右手に比べて、若干おとなしそうな印象があります
やはり、どう見ても河童みたいですよね。作者の感性の問題なのか、はたまた意図的にそうしたのか。今となっては知る術もありません。
敷地の反対側には、このような石碑とお地蔵さんも立っています。石碑には「馬頭観音」と彫ってあります。
これを見ても、この場所が地域の霊場であったことは間違いありません。今でも、このように花や水が手向けられていて、よく信仰されているのがわかります。

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