川向稲荷神社

(かわむこういなりじんじゃ/横浜市都筑区川向町)

取材日:2006年5月3日
奉納日:2006年7月24日

横浜上麻生道路を小机駅前から市ヶ尾方面に向かい、鶴見川にかかる新川向橋を川向町側に渡りきってすぐ右手にあるお稲荷さんです。このあたりは今でこそ工業団地のようになっていますが、以前は田圃が広がっていたと言います。稲作の豊穣を願って祀られたものでしょう。


これは由緒書きですが、光が反射して見難いです。これによると、この一帯はかつて小机村、本郷村、川向村の三村が合同で住吉神社を祀っており、1601年に3村が分かれた折に、すでに京都伏見稲荷から賜っていた分霊を川向村と本郷村の鎮守として祀ったのが始まりらしい。
街道から少し奥まったところに神社があります。10mほど入ったあたりに鳥居が見えます。
鳥居付近まで近づいてみると様子がはっきりと見えてきます。大きな石の鳥居の左手には、もうひとつの小さな赤い鳥居が見えます。
石の鳥居に掛けられた額ですが、逆光でよく見えません。でも、ここにはどうも「福稲荷」と書いてあるように見えたのですけどね。
これは隣の小さな赤鳥居の方です。鳥居の奥には赤い祠も見えます。やはり稲荷でしょうか?
その赤い祠です。特別な装飾もなく地味なものですが、それだけに住民の素朴な想い入れが感じられて、好感がもてます。
祠の中には、何やら霊力のありそうな丸い石と、その両脇には石膏を彫ったような1対の狛狐がいます。手間にはお賽銭でしょうか、5円玉が何枚か重ねて置いてあります。
これが川向稲荷の境内です。一番手前には石灯篭。その先には狛狐が見えます。
なかなか立派な稲荷神社ですね。
これが川向稲荷の狛狐です。きりっとこちらを睨んでいますが、足元には子狐の姿が見えます。
角度を変えて見てみましょう口元がとがっていて、なんだか「カラス天狗」みたいです。尻尾は下に巻いています。
子狐のアップです。
子狐はこんな格好で母狐にくっついています。臆病そうな子狐ですね。
こちらは向かって左手の狐です。お父さんでしょうか?
こちらは口元の形状が右手の狐と明らかに違います。こちらは、どちらかというと犬に近い形状をしています。
こちらの足元には「宝珠」が抱かれています。尻尾の形状が特徴的ですね。下側に何か波状の線が入っています。これは初めて見る形状です。
これが川向稲荷の本殿です。以前、浮浪者の火の不始末で消失してしまったので、氏子たちがお金を出し合って鉄筋コンクリートで作り直したのだそうです。木造のようなしっとりとした雰囲気はないですが、白と赤のコントラストがとてもきれいです。
本殿に掛けられた額です。金の縁取りがしてあり、とても立派です。
大きな賽銭箱には、このように稲荷マークが輝いています
これは鈴を鳴らすための綱の先端ですが、どういうわけか端には馬の毛(?)が束ねてあります。どういう意味があるのでしょうか?

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