上星川稲荷神社(仮名)

(かみほしかわいなりじんじゃ/横浜市保土ヶ谷区川島町)

取材日:2006年3月21日
奉納日:2006年4月13日

相鉄本線の上星川駅から南西方向に山手に向かって約5分ほどの住宅地にある稲荷です。横浜に多く見られる小高い丘の造成地にあるもので、当然ながら稲荷の方が先にあったのですが、今ではすっかり住宅に取り囲まれています。


水道道(すいどうみち)と呼ばれる街道から住宅地に入る小道に見えてくるのが、この稲荷です。本来ならここにも家が2、3軒は建ちそうな場所ですが、さすがの開発会社もここには手をつけられなかったとみえます。
境内全体を造成地の上からながめたところです。意外に広い敷地ですが、たぶん最近までは山林だったのではないでしょうか。
境内の草などはあまり手入れされている様子はありません
これは境内の横から入る鳥居です。けっこう立派な石造りです。陰には赤い鳥居も並んでいます。
その石の鳥居に掛けられた額も石で出来てきます。それには、稲荷社とだけ書いてあります。神社固有の名称はこれではわかりません。
こちらは、社の正面に向かう鳥居です。後ろにはたくさんの赤い木製の鳥居が並んでいます。
いつものタイムトンネルです。奥には社に続く階段も見えます。
とても質素なお社ですが、両脇にはちゃんと狛狐がいます。鳥居の色の剥げ具合が、年月を感じさせますね。
なんとも可愛らしい感じの狛狐です。身体全体に丸みがあって、ちょっと頭が大きめで可愛いです。
これはその後ろ姿。しっぽの先も太くて、ふわふわな感じを上手く表現しています。
こちらはその相方。残念ながら少しセメントで補修されています。
足元には子狐がいます。かわいそうに、子狐を抑えていた母親の足が壊れてしまっています。子狐も悲しそうです。
後ろから見ると狐というよりイタチみたいですね。脚も太くて短かい。でも、なんだかかわいい狐です。
狛狐の台座には建立の記録が記されています。これによれば大正10年の建立のようです。80年以上も前のものなのですね。
境内にはこのように役目を終えた鳥居の残骸が置かれています。新しい鳥居を建てたときに取り壊したものなのでしょうか。こうしたものは安易には廃棄できないために結局このように「放置」されている場合が多いですね。
新しい鳥居の柱には、これを寄進した「講」の名称が刻まれています。これによれば、ふたつの講によるもののようです。いまだに講の仕組みが残っているのですね。

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