(みやたちょういなりじんじゃ/横浜市保土ヶ谷区宮田町)
取材日:2006年3月4日
奉納日:2006年3月12日
横浜駅前の繁華街からやや離れた町で見かけたお稲荷さん。 最寄り駅は、相鉄線の西横浜駅。住宅街の中にひょっこりと 見えてくる、まちなかのお稲荷さん。これには、いつも驚か されますが同時に発見した悦びに震える瞬間でもあります。 この稲荷には、とくに特定の名称はついておらず、幟や石碑 にも「正一位稲荷神社」とあるだけです。したがって、ここ で書いている「宮田町稲荷神社」とは、わたしが勝手につけ たものです。あしからず・・・・・・・・・・・・・・・。 |
にぎやかな通りを一歩入った静かな住宅地の路地に、突然赤い幟がひらひらと舞っているのが目に飛び込んできます。周囲の住宅に押しつぶされそうにある神社は、この一角だけまるで別世界のようです。 この長い階段を昇り切ると、お稲荷さんがあります。 |
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そこには周囲の住宅とは明らかに異なる空間が広がっていました。 ここだけ、時間の流れがが止まっているようです。 |
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おなじみの赤い鳥居の奥には地味ながらきちんと祀られた祠があります。そしてその手前には、三対の狛狐がひっそりと祠を守っていました。 | |
一番奥にあった狛狐は、最も新しいもののようで、白い花崗岩を彫ったものです。 耳や口は赤く塗られ、珍しく目の部分も彩色されていました。 |
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デザイン的には、最近流行りの筋肉質系のもの。脚にはするどい爪があってあまり狐らしくありません。 「狼系」とでも言うのでしょうか? |
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その手前に位置するのは、最も古いものに見えます。顔もだいぶ欠けてしまっていますし、土台も角がとれて丸くなっています。長い間この神社を見守ってきたのでしょうね | |
その相方がこれです。こちらの狐はほら、子狐を抱いています。やさしい母狐です。 | |
子狐の部分を拡大してみましょう。かわいそうに、子狐の顔も、だいぶ欠けてしまっていますね。それでも母狐は、必死に子狐を守るように、やさしく前脚で抱えています。 | |
そして最も手前の狛狐。これもやはり子狐を抱いていますこちらも耳が欠けたりしており、なんともかわいそうです | |
子狐の拡大です。こちらはそんなに損傷は激しくないので表情までわかります。いかにもやんちゃ坊主といった感じの子狐です。 | |
こちらは、その相方さん。なかなかクールな表情で、前脚には炎のような珠を抱いています。尾を丸めて、こちらをキッとにらんで、かっこいいですね。 | |
境内にはたくさんの赤い幟が立てられており、地元の人によってきちんと祀られていることがわかります。 周囲はどんどん宅地化、近代化していく中で、この一角だけは神聖な場所として、住民が守っているのでしょう。いつまでも残しておきたい心です。 |