(つなしまじんじゃ/横浜市港北区綱島)
取材日:2004年11月3日
綱島駅から綱島街道を日吉方面に歩くと、約5分ほどでこの神社に 行き着きます。片道1車線の交通量の多い街道から一歩参道に 入ると、そこにはまるで別世界のような、しんとした空間があります。 ゆるい坂を上りきった小高い丘の上に建つ神社は、諏訪神社の 流れを汲む綱島神社です。ここはかつて、甲斐の武田家の家臣が 治めていた土地で、信濃の諏訪神社を信仰しており、それにちなんで ここに神社を建てたようです。ただ、ここにある二つの稲荷の由来に ついては、明らかではありません。 |
こちらは綱島街道側ではなく神社のある丘を越えた反対側にある諏訪神社の入り口です 昔はこちらが正式な参道だったのでしょう。周りは住宅街なのですが、この鳥居をくぐれば、そこは鬱蒼とした木立に囲まれて、ひんやりとした空気が漂う異空間です。 |
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階段を上りきって丘の上に出ると、左手に緩やかな傾斜のアプローチがあります。その奥右手が、この諏訪神社の本殿なのですが、左手にちらりと見える「赤いもの」を見逃しはしませんでした。 | |
これが、諏訪神社の中にある一つ目の稲荷です。真っ赤な鳥居と祠です。 それに派手な「稲荷大明神」の幟が、強烈に稲荷世界を主張しています。 |
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鳥居の額には「稲荷大神」とあります。紛れも無い稲荷。 | |
祠は比較的地味だ。全体を赤く染めているわけでもなく。それでもしっかりと稲荷の風情はかもし出しています。 | |
祠の前には、小さな瀬戸物狐がちゃんと一対おわします。そばには、なんと「鬼ころし」なるお酒も供えられています。 | |
これが、ここ諏訪神社の本殿になります。なかなか堂々たる造りです。 左手に見えるのは、毎年ちょうどこの時期に行われる「菊展」の菊です。 |
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この菊が、なかなか美しいのです。ちなみに、わたしの郷里の山形ではこの観賞菊を、展示の後、ちょっと酢を入れた湯で湯がいてお浸しとして食べます。少し苦味があっておいしいですよ。 | |
その菊展の裏側にも、なにやら赤いものが。ここには、もうひとつの稲荷がありました。 | |
これもさきほどの稲荷とほぼ同じ大きさの祠です。ちゃんと赤い鳥居とのセットになっています。でも、造りとしては隣のものの方がずっと立派ですけど。 | |
祠のアップです。先のものと違いこちらは全体を、これでもかと言わんばかりに真っ赤に塗ってあります。 | |
どうしても祠の中が見たくて扉を開けてしまいました。(いけないんでしょうね?) すると!中にいましたよ、おきつねが。とてもコンパクトですが、立派な石造りの狐です。 |
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狐のアップです。かつては着色してあったようで、耳の中が赤く、手元にある珠にも金色の塗料が残っています。 | |
こちらの狐はお母さんらしく前足にはかわいい子狐がじゃれています。 | |
ところで、隣にある祠には、こんな額がありました。これは「こんぴらさま」なんですね。 | |
これは綱島街道からの上り道です。こちらは、車でも上れるようになっています。 | |
このあたりは、かつては湿地帯で一面が田んぼだったと言います。ですから、このあたりの古い家はほとんどが農家で、そのあちこちにこのような「自家用神様」があったようです。これは、たぶん稲荷でしょう。 | |
これは「庚申塔」です。 |