熊野神社

(くまのじんじゃ/横浜市神奈川区東神奈川)

取材日:2004年1月24日

JR東神奈川駅近く、京浜東北線の海寄りには、いくつかのお寺や 神社が集まっています。これを巡る散歩コースもあるほどです。 この熊野神社もそんな中のひとつ。そして、その中に見つけた、ち ょっと怪しい「稲荷空間」を紹介します。



JR東神奈川駅の近くにある 「熊野神社」。その入り口に は、立派な鳥居と、豪快な狛 犬が鎮座しています。
でも、なんとなく気になって 境内を探索することにしまし た。そして、奥の奥に入り込 むと、そこには・・・
境内の奥の奥。本殿の陰にあ ったのがこの稲荷です。 派手な幟も、立派な本殿もあ りませんが、なんとも怪しげ な、そして荘厳な雰囲気のあ るお稲荷さんです。
角がぼろぼろに欠けて、いか にも古そうな石造りの祠。 中央には宝珠の形をした穴が あいている。中を覗くのも怖 いくらいに霊力を感じます。
石祠の両側にいる狛狐。 これも古そうですが、とても 上品な顔立ちをしています。 かたちのバランスもよく、表 情もいいです。やわらかな身 体の線がとても美しいです。 赤い前掛けも粋に着こなして います。
反対側の狐。こちらも、なか なか精悍で良い表情ですね。 ぴんと立ったしっぽが緊張感 を出しています。
その後ろにいる、もう一対の 狛狐。さきのものと作者が同 じなのか表情がとてもよく似 ています。でもこちらの方が ちょっとやんちゃな感じです
これなんて、本当に悪餓鬼っ て感じじゃないですか。 今にも飛び出して悪さをしそ うです。でも、かわいいです ね。
祠の奥に妙なものが見えまし た。よく見ると、大黒様のよ うな人が狐のような動物にま たがっている像でした。
これはその後「ダキニ天」で あることがわかりました。 ダキニ天は豊川稲荷のご本体 で、やはりあの大黒様とも深 い関係があるようです。
稲荷神社にはよくあることで すが、ここにも古い狐たちが 奉納(?)されていました。 奉納というよりもうち捨てら れていると言った方がいいよ うな感じです。いずれにして も、この狐たちは、眷属の重 責を終えてほっとしているよ うです。お互いの昔話でもし ているのでしょうか。
そんな中でも目を引いたのが この一対の狐。10センチく らいの本当に小さな狐なので すが、この二匹が頭を付き合 わせて仲睦まじくしているよ うに見えます。
「ずっとずっと、こうしてい たいね」なんて囁いているの でしょうか?


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