三嶋稲荷神社

(みしまいなりじんじゃ/山形県山形市緑町)

取材日:2005年6月38日

山形市内の遊学館と山形北高等学校の間にある神社。このあたり
は、旧県庁所在地にも近く、山形市の中心に位置する場所だ。周
囲には北高等学校をはじめ、東高等学校、工業高校など学校も多
く、またお役所の建物なども多い。そんな中に、ぽっかりとある
のが、この三嶋神社だ。


慶長年間(1596〜1614年)出羽国最上十一代城主 が専称寺境内に寄進した稲荷明神がはじまり。明治4年の 神仏分離令により、当時、馬見ヶ崎河川敷だったこの地に 遷座し名前も三島稲荷神社と改められた。その後、明治9 年に山形県の初代県令として赴任した三嶋通庸が自分の姓 と同じ神社であることに感銘し静岡県から分霊して祀った のが三嶋神社だ。
今では「路地」になってしまった遊学館前の道沿いに、ぽ っかりと空いた空間がうれしい。左手の社殿は三嶋神社の社殿。そして、その右手にあ る赤い鳥居がもともとの三嶋稲荷神社だ。
その三嶋稲荷神社を正面から望む。3連の赤い鳥居。その 奥には小振りながら堂々たる祠が見える。
凝った装飾彫りが施された額そこには、はっきりと「三嶋 稲荷神社」と記されている。
松や様々な木々に囲まれた稲荷の祠。本当に広い三嶋神社 境内で、この一角だけは深い緑で落ち着いた空気に包まれている。
手入れがゆきとどいていないというのではなく、むしろ草 に覆われた狐の棲家そのものという感じの雰囲気がグッド !
こじんまりとした狛狐は、まるで本物の狐が草むらから顔 を出しているような風情だ。
比較的スマートなお狐さま。
玉石の上に載せた前足は、補修のせいか、ちょっと違和感があって残念!それでも、ほ っそりとした狐の身体は、今までに見たことのないデフォルメだ。
こちらの狐は口に巻物を咥えている。尻尾もピンと立っているね。
後姿は妙にリアルだ。まるで今にも動き出しそうだ。
その祠のさらに東側の奥にはこのような石の祠がひっそり とある。これはいったい何なのだろう??そんな怪しい風情が、稲荷のたまらない魅力 なのだけれど。

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