石動稲荷神社

(いしどういなりじんじゃ/山形県上山市金瓶)

取材日:2005年6月28日

上山バイパスと旧羽州街道の交差する地点から街道を南に100メートル
ほど行ったところにあるのが、この稲荷神社だ。小高く盛り上がった林の
中にある、実にミステリアスな空間。由緒は不明。


旧街道からさらに細い側道沿いに、ちらりと見える赤い鳥 居が目印だ。少し上ったところにもわずかに赤い鳥居が見えている。
その側道から鳥居越しに参道を見る。参道といっても、ほ とんど「けもの道」状態。周囲よりもややへこんだ部分が 筋状にわずかながら土の地肌が見ている程度。あまり頻繁 な人の出入りはなさそうだ。
手作り風の額が妙に新しげでそこに書かれた「石動稲荷神 社」の文字も、大きさも見事にアンバランスで、なにやら 魅力的だ。それにしてもステンレス枠の額は初めてみるものだ。
第一の鳥居をくぐって、けもの道の参道を少し登ると、そ こにはもうひとつの赤鳥居がある。さても、それを過ぎれば狛狐に出会えるか?
と、期待するも・・。
案の定、そこには社すらなかった。かつて鳥居が立ってい たろう石の土台などはあったが、狛狐も社も無かった。しかし、正面左手には、実に奇 妙なものがあった。赤いエプロンをかぶせられた石の祠だった。しかも、その下にはぽ っかりと空いた石の穴が。
思うに、これは「きつね穴」ではないだろうか?そこで思 い出されるのは「蔵王きつね村」で見たきつね穴のことだった。あの村はかつて狐が棲 んでいた山に作られたものでその狐が棲んでいた穴も残っていたのだ。あのきつね穴に 非常によく似ている。きっとこの穴には昔実際に狐が棲んでいて、それを祀って、ここ に祠を築いたものではないか山陰の稲荷神社の祠にあるきつね穴は知っていたが、これ
はまさに「本物のきつね穴」ではないか?

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