尾萬稲荷神社

(おまんいなりじんじゃ/山形県山形市円応寺町)

取材日:2003年8月10日

私の実家から歩いて5分程度のところにあるのが、この稲荷神社。
地元では「おまんさま」と呼ばれていた。普段はあまり人影もない
神社だが、正月の初詣での時には、市内あちこちからの参拝者で
賑わい、甘酒などもふるまわれる。




通りに面したこの神社は子供の頃から何気なく目にはして いたが、これまでほとんど意識して見たこともなかった。 ごく「普通の佇まい」なのである。それでも、敷地の半分 ほどに影を落としている大木は、いかにも神社であること を象徴している。
これが尾萬稲荷神社の本殿。本殿、というよりも集会所と 言った感じの建物だ。実際ここでは、氏子たちの寄り合い などが開かれるようだ。稲荷のお社は、右手奥にちらっと 見える赤い鳥居群の奥に密かにあるのだ。
これが尾萬稲荷神社の赤鳥居群。なかなか壮観である。実 はこんな立派な鳥居が並んでいることを、この取材時まで 私は知らなかった。18年も住んでいたのに、である。 「関心がない」ということは実にこういうことなのだ。そ れにしても、見事。羽田の穴守稲荷にも負けないくらいだ
40代後半以上の方ならご存じだと思うが、藤田まこと主 演の「てなもんや三度笠」というテレビ番組があったのだ が、それに出てきそうな「粗末」な祠だ(失礼!)。あの 立派な鳥居群とは似つかわしくない、あまりに質素な祠。
しかし、中を例によってフラッシュ撮影してみると、どう してどうして。
なかなか雰囲気ものであったおなじみの磁器の狐に並んで 左手には素焼き調の狐もいるこんなの、見たことない。中 に入って見たいものだ。それに、祭壇の両側に立つ稲 荷大明神の幟が、また一段と雰囲気を出している。
ほこらの内部を撮影した写真に、こんな狐の絵馬が写っていた!素敵!
白いしなやかな二匹の狐が向かい合っている。片方は口を 開けて、片方はつん、とすましている。どういう願掛けを したものかはわからないが、なんて素敵な絵だろう。なん とか、中に入ってちゃんと見てみたいものだ。
赤鳥居群の手前左手に、こんな小さな祠があった。全体が 赤く塗られ、注連縄の奥には瀬戸物狐が置かれているとこ ろを見ると、これも紛れもなく稲荷神社なのだろう。由緒 はわからない。

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