(いおういなりじんじゃ/山形県山形市薬師町)
取材日:2003年8月10日
山形市を流れる馬見ヶ崎川(まみがさきがわ)のほとりに、薬師堂が ある。そして、小さな道路一本挟んだ路地の入り口にあるのが、この 医王稲荷神社である。由来によれば、もともとこの神社は、薬師堂の 敷地内にあったのだが、明治元年に仏神を混合して祀ってはいけな いことが決まり、今の場所に移設されたようだ。「医王」という名称と、 もともとの所在である「薬師」とは、「医」と「薬」という関係があるようで ある。 |
そもそのも由来は定かではないが寛政三年の絵図にはすで にこの神社の社殿が示されていた。現在のものは明治25 年以降に京都伏見稲荷から勧請したものだが、明治44年 の大火により当時の社殿も文書もすべて焼失してしまった。 その後、大正4年に有志によって再建されたのが現在の社 である。 | |
境内には狛狐はなかった。そこでお社の扉の隙間から無理 やり中を撮影すると、中には立派な狐像があるではないか。 たぶん木製で白く着色してある。形も優美でしなやか。左 右の狐ともに片方の前足を上げている。これは何を表すポ ーズなのか?それにしても、実に荘厳な空気が漂っている空間ではないか。 |